
和楽科2023年09月28日
昼間部・夜間部【2年制・3年制/定員20名】
学べる場所の少ない日本音楽・和楽。
身近な存在として親しもう!
古きをたずねて、新しい血をかよわせ、ひろく日本の人達と和み、楽しみたい伝統音楽。日本音楽のいわゆる家元という伝統制度に立脚せず、21世紀に生きる「和楽」のポテンシャルに着目し、純音楽モティーフとしての可能性を立体的に追求していく。
和楽は「和んで楽しむ」日本の音楽。日本音楽は、大陸から琴と尺八が伝来した飛鳥時代に始まり、奈良の雅楽、平安の箏曲、鎌倉の田楽、室町の能、江戸の歌舞伎と各時代に由緒ある音楽文化を産みます。しかし、明治以降は、浪曲や詩吟、演歌が生まれたくらいで、日本の伝統音楽はマイナーで退屈な存在になってしまいます。西洋重視の教育方針による罪が大きいのです。和楽の今は、ずいぶん違っています。クラシックに、ポップス、ジャズ、ロック、エスニックがあふれる音楽のるつぼのなか、人々はグローバルな感性を育て、温故知新を始めました。
Japanesque「日本美」の再発見。国立音楽院の和楽科は、日本の伝統音楽が身近に迫り、祖先のDNAが目覚めて生き生き歌い出したことを感じています。伝統音楽を現代に活かしている第一線の音楽家、名人を講師に招き、貴重な知識だけでなく、実際の演奏や表現を体験することで、自分のものに取り込むことができます。伝統の音の響きを、受け容れ消化して、新しいマチエール(音素材)として再創造していくことを学びます。
和楽とジャズ、ロック、POPSのコラボレーションが盛んなことも、日本では国立音楽院だけのモティーフです。和楽の独特の「間」は癒やし、ヒーリングに通じます。心地よさ、懐かしさを追求し音楽療法にも活用できるでしょう。日本民族の心の底流にある「和」と「楽」の素晴らしい実現が、当学科が目指すところです。
橋本 萌生
合唱団での海外遠征をきっかけに三味線を始め、練習を重ねていくうちにもっとたくさんの曲を弾けるようになりたい・レベルアップしたいと思いこの学院に入学しました。現在専攻している津軽三味線、総合芸能や箏曲演奏法など和楽に関する講義の他に、音楽理論やコードについてなど、とても幅広く学んでいます。この幅広い講義内容を活かして、日本の伝統的な音楽などの素晴らしい文化をどんな世代の人にも楽しんでいただけるよう、演奏技術の向上などに取り組んでいます。