国立音楽院

2020年03月25日

ピアノコンチェルト・MT(音楽療法)アンサンブル発表会~阿知波先生コメントが届きました!

阿知波先生のコメント

去る2月22日、ピアノコンチェルトの発表会が行われました。

 

私が担当して2年めのこのクラスの今年の発表会は、前半2名は私のピアノ伴奏による2台ピアノでの演奏、後半2名はMTアンサンブルの有志メンバー9名のバックによる演奏と、豪華な内容で行われました。また、前半と後半と演奏形態が異なる故、諸問題が発生し、前半は通常授業をやっている3階のウィングルームで、後半は地下のコンサートステージでと、場所を変えての初試みもありました。

前半の上坂隆太君と長谷川志保さんは、専科の実技練習に追われてコンチェルトの練習にはなかなか取り組めなかったのですが、是非演奏したいということで、少ない練習期間でしたがそれぞれモーツァルトとガーシュインを弾きこなしました。

ガーシュインを選曲した長谷川さんは、おしゃれな曲や派手でかっこいい曲が好みなのですが、今回演奏したコンチェルトin Fは私も学生時代に超ハマった曲だったので、少ない練習回数でしたが、楽しいひと時を味あわさせていただきました。

後半の星まりあさんと長澤利香さんは非常に熱心で、2人で協力しあいながら、名曲ショパンのピアノ協奏曲(コンチェルト)第1番の1楽章を長澤さんが、2楽章を星さんが挑みました。

1楽章も2楽章も、もともとの2人の実力よりはるかに上級レベルの曲で苦戦するところが多々ありましたが、2人とも本当に熱心に練習を重ね、なんとか形になりました。そんな2人の頑張りを見て、本当の協奏曲のソリストの気持ちを味あわせてあげたくて、伴奏パートをピアノではなく、あちは率いるMTアンサンブルの有志メンバーによるミニオーケストラで演奏しようと企画しました。

MTアンサンブルあちはぐみは、楽器やレベルを問わず、みんなが協力しあって老若男女に好まれる曲をアンサンブルしようというチームなので、毎回毎度オリジナルの楽譜を私が編曲して演奏しているのですが、普段は日本の季節の歌や流行りのポップスなどをやっているので、ショパンのような超クラシックはほとんどやったことがなく(あちはの専門はクラシックですが)、しかもショパンの時代にはまだなかったサックスなども入っていたので、どんな音になるのか不安だらけでした。

ショパンは“ピアノの詩人”と言われているように、“ショパンの協奏曲はピアノばかりが派手でオケは超ヒマ”で有名なのですが、いざ楽譜を書き始めると、音数は少ないのにサックスを含めた異例な楽器編成に四苦八苦しました。それでも普段一緒にアンサンブルやってるあちはぐみの生徒たちの力を信じて、正月休みを返上して楽譜を書き進めていきました。

無事楽譜が完成しいざ合わせをしてみると、ソリストの2人も9名という大人数と合わせをするのが初めてだったりとか、ショパン特有のテンポルバートがなかなか1つにまとまらないとか、あちはの指揮が超ヘタとか様々な問題が浮上し、私の長い音楽生活の中でもトップ3に入る大変さでした。

しかし、大変であればこそ得るものが多く、ソリスト2人はもちろんのこと、あちはぐみメンバーもあちは自身も大変勉強になりました。本番はこれまた予期せぬハプニングがありましたが、演奏に参加した全員が満足感を味わうことができました。

初めてづくしが多くて大変だった今回のコンチェルト発表会、来年はどんな学生がどんな曲に挑戦するか、また新たな大変さが出てくると思いますが、新しいことに挑戦してこそ、学生たちも私も大きな自信と満足感を得ることができると信じて、また頑張っていきたいと思います。

指導講師:阿知波 吏恵

指導講師紹介

– 阿知波 吏恵 Rie Achiha –

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。毎日学生音楽コンクール・ピアノ部門西日本大会入賞。フランス・ポワティエ夏期音楽大学、ニース夏期音楽アカデミーに参加、ピアノ、伴奏法、ソルフェージュ、作曲講座を受講。2004年より、阿知波吏恵の曲とピアノによるコンサート“アソシエート・ミュージックボックス”を開催。作曲&編曲活動、ピアノ&伴奏活動、アンサンブル&後進の指導他、多方面で活躍中。松村禎三門下生の会アプサラス会員。

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