2019年09月19日
ドラムや打楽器を専門的に極める学校〜ドラムカスタマイザー科の夏期講習レポート!
- ドラムカスタマイザー科
ドラムカスタマイザー科の夏期講習に密着しました!
製作、修理、調整、音作り etc…。
ドラム・打楽器について、ありとあらゆる事を学ぶこの学科で何が行われているか覗いてみましょう♪
目次
・ 割れたシンバルの対処方法
・ 細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
・ クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
・ 本皮ヘッドの張り替え
・ まずは入門編から!体験講座を随時開催
割れたシンバルの対処方法
ドラマーの皆さん!叩いている内に、ふとシンバルを見てみるとヒビが入っている事に気が付いた事はないでしょうか。
放っておくと、どんどんそのヒビは大きくなっていってしまう(音もどんどん変わってしまう)のですが、かと言ってシンバルは高くて頻繁には買い換えたくない、、、という学校さんやスタジオが多いのも現実。そういった時にどうすれば良いか、その対処法を学びました。
様々な研究のあとが見て取れますね。学内スタジオの割れシンバルも、ドラムカスタマイザー科にとっては最高の教材となります。
今回は、KMAリペア工房・石井さんの実際のお仕事風景を見学。実際のお仕事では、お客様とのコミュニケーションが最重要!何を望んでいるか、予算はどれくらいなのか、そういった事情を踏まえて仕上がりを決めていきます。
こうした実際のお仕事を見ながら様々なケースへの対処を学び、実力を身に付けていくんですね♪
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▲割れたシンバルの対処方法
▼細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
▼クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
▼本皮ヘッドの張り替え
▼まずは入門編から!体験講座を随時開催
細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
続いては、ドラムカスタマイザー科の卒業生でもある篠原先生による【ドラムカスタマイザー完全実践2DAYS】をご紹介。
まずはスネアのメンテナンスをおさらい。とは言いつつも、お仕事レベルのかなり専門的な内容まで掘り下げていきます。
細かなパーツまで、クリーニングやメンテナンスを施していきます。
こういった「ストレイナー」というパーツも分解しながら、快適な状態へ調整していきます。
どういった構造をしているのかまで、ひとつひとつ丁寧にレクチャー。
ハンマーを使って、微細な使い心地まで考えて調整!構造を理解する事で、どうすれば演奏者が心地よく使えるのかを考えていく事に繋がります。
実はこちらの工具も、ストレイナー調整のためだけに篠原先生が自作した改造工具なのです。
日頃、ドラムカスタマイザー科では音の響き・チューニング・サウンドメイキングも学んでいきますが、様々な内容を学んでいく事で「こういうことだったのか!」というクオリアに結びついたりします。発見の醍醐味を知ると、そこからさらに好奇心が生まれて研究意欲が刺激されていきますよ。
この完全実践2DAYSでは、スネアの他にキックペダルのメンテナンスも行いました。「ものづくり」や「工作」の楽しさにも似ていますね♪
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▲割れたシンバルの対処方法
▲細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
▼クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
▼本皮ヘッドの張り替え
▼まずは入門編から!体験講座を随時開催
クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
さて、続いては「音響学」の授業を受け持つ山本健司先生の特別講座を見てみましょう。
コンサートバスドラム・ティンパニ・スネアドラムの整備方法、チューニングを学んでいきました。
山本先生の講座は「考える力」を育むという裏テーマが、実はあります。学院生の皆さんは先生から教わった事をそっくりそのままコピーするのではなく「何でこんなに響き方が変わったのだろう?」と考えてみて、どんどん質問してみる。そして自分もどんどん試してみる。そうする事で、先生がなぜこういう発想でチューニングをしているかという理解に繋がります。
いや、そうは言ってもいきなりそれは難しいですよね(笑)少しずつ少しずつで大丈夫です。実際に今年度のドラムカスタマイザー科の在校生からも「最初は先生が何を言っているかすら全くわからなかったけれど、少しずつわかる部分も出てきています」という声が出てきています。スネアのチューニングも色々な先生から何度も学んでいきますが、どんどん新たな「気づき」が出てきます。
コンサートバスドラムのチューニングも!アンサンブルの中でどういった役割の楽器なのかを理解する事がチューニングの方法を導き出すヒントになっているというお話が出てきました。
皆で響きを確かめながら講座は進行。
ピアノを鳴らしながら、響きを確認してみました。アンサンブルを意識したチューニングの発想、そのお話がここで繋がります。
場所が変われば当然、音の響き方も変わってきます。2日目の講座はオーケストラの授業などでよく使われる「コンサートステージ」という教室へ移動。
ティンパニのチューニングはとても奥深いですが、楽器本来の「鳴り」を体感していきます。ティンパニ同士の共鳴も確かめながら、チューニングを完成させていきましたが参加者の皆さんは繊細な響きに集中しつつ「?」もたくさん。新たな研究材料になるかも?
こちらの写真ではいくつかのティンパニをミュートしてみていますが、これだけで部屋の響き方も実はかなり変わっている!という実験です。その場にいながら音を聴いていないと、かなりマニアックな話題に聞こえるかもしれませんね(笑)
難しく考え過ぎずに、様々な実験を重ねながら研究してみて頂きたいです!
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▲割れたシンバルの対処方法
▲細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
▲クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
▼本皮ヘッドの張り替え
▼まずは入門編から!体験講座を随時開催
本皮ヘッドの張り替え
さて、最後は「本皮ヘッドの張り替え」をみてみましょう。
市販でよく見かけるスネアヘッド(皮)とは見た目から違う事がお分かりになるかと思います。今回は波打った状態になってしまっているこのヘッドを「どこまで修正していけるか実験する!」がテーマ。
本皮ヘッドってこんな風になっているんですよ。
何と、水に漬けちゃいます。
ペロン、と枠の部分が取れました。
水に浸け、いったん柔らかくしてほぐしていきます。
形を整えるのも、コツがいります。
さあ、綺麗になるのでしょうか。乾かして結果を待ちます。
乾燥後、ぱっと見た感じは綺麗です。
裏側もばっちり。
うん、近くで見てもいい感じですね!
いやー、しかしシェルに乗せてみると、、、。
クセがついてしまっていて、限界があったようです。
こうした研究のひとつひとつも、大事な経験となります。
100%の正解を求めず、どんどん研究してみることができる環境を
フル活用したいものですね!!
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▲割れたシンバルの対処方法
▲細かな傷の修復やストレイナーなどのパーツ調整〜完全実践2DAYS!
▲クラシックパーカッションの整備とサンプリング音源制作
▲本皮ヘッドの張り替え
▼まずは入門編から!体験講座を随時開催
まずは入門編から!体験講座を随時開催
国立音楽院では様々な体験講座を随時開催していますが、ドラムや打楽器のメンテナンス入門は一般の方も参加ができます。
体験日程は下記のページで随時更新中です。