国立音楽院

2019年11月16日

生まれ変わったギタークラフト・リペア科の挑戦~業界のお仕事事情と時代に合わせたカリキュラムの構築

  • ギタークラフト・リペア科

設立から20年以上の歴史がある国立音楽院のギタークラフト・リペア科では、2019年度から指導方針・カリキュラムを一新しています。

国立音楽院でも楽器の製作・修理・調整など、手に職を付ける技術系学科は今も昔も変わらぬ人気がありますが、時代は変化を続けお仕事の現場に求められることも日々移り変わっています。

教育施設で専門技術を学ぶ事ができるのは当然ですが、指導講師の現場感覚と学校運営陣の連携を密に取り、教育現場で何ができるのかを真剣に考えて日々新たな取り組みを導入しながらカリキュラムを構築している様子を、ここではご紹介致します。

国立音楽院ならではの特徴ってどんなところ?

実際に学校見学に来て頂いた方からも、よく頂くご質問です。

「他にもギタークラフト・リペアを学べる学校があるけれど、この学校ならではの特徴って何?」

実際にポイントを簡単にまとめてみると、、、こんな感じ。

・年度毎に定員10名の少人数制、個別指導
・製作、修理、調整、塗装など、やりたいことに専念できる
・自習で設備を使える時間がたっぷり
・製図技術はCNC(木材や金属の加工機)にも対応できる内容
・受注から納品まで、経費管理も含めた超現実的なプログラム
・希望者は在学中から独立、起業した個人事業主の状態をシミュレート可能
・仕事現場に求められる内容とスピードを修得
・音響や演奏など他分野授業との同時履修で「お客様視点」を理解する(クオリティも向上)
・専門的に学びたい方も、趣味レベルで楽しみたい方も、どちらも大歓迎
・興味があるのでとりあえずは色々とやってみたいという方も学びやすい

こんな特徴があります。

実は国立音楽院の指導講師も、昔は学校で製作や修理技術を学んでいた時期があります。

在学中~学校卒業後に工夫した点や苦労したポイント・現場感覚との違いなど、実際に学校で学んだことを社会の中でどのように駆使して生きてきたかという講師の実際の経験をもとに、「こういう学習環境が良いのでは?」「それだとこういう方々はご対応できなくなるかもしれない」「じゃあ、こうしてみましょうか!」と、日々試行錯誤を繰り返しています。

効率化を重視し過ぎないように、ノウハウを誰でも再現ができる状態へマニュアル化し過ぎてしまわないように、ある程度のゆるさ(柔軟さ)をキープし、お一人お一人のご希望へ柔軟にご対応しながら、それでも最低限必要となる内容はしっかりと身に付くようなオリジナルのカリキュラムを作れないだろうか。10代の方だけでなく様々な年齢の方が混在する環境に求められるプログラムを構築できないだろうか。「楽しい!」を原動力に学んで頂く環境が創れないだろうか。

ここへきて、一旦ゼロの状態からひとつひとつ構築していきました。他校との競合という視点ではなく、可能な限り業界全体の発展を願いつつ…。

当校のギタークラフト・リペア科にとっても、重要な転換期となったのかもしれません。

多様化するライフスタイルと教育現場に求められるニーズ、関連業界の現場感覚や時代の変遷を見据えてイチから組み立てたカリキュラム。正に他の学校では学べない、オリジナルの特徴というわけなんですね。

実際のカリキュラムの中身はどうなんだろう?

それでは特徴となるポイントを挙げてみたところで、実際の中身を見てみましょう。

通常は2年間のカリキュラムとなりますが、1年コースの「専門部・技術コース」でも履修可能!また、2年間では時間が足りなかったという方は3年目・4年目、、、と履修を延長していくこともできます。

1年目の初めは完成しているギターやベースを分解するところから始まります。
ネット検索すれば、ある程度の情報はすぐに手に入る時代でもありますが
座学ではなく、まずは実践。

楽器の仕組みを学ぶためには、これが一番早い!

全く楽器の構造を知らない方も、自分の手で分解し組み立ててみると構造がよくわかります。

教材となる楽器はちゃんと研究材料としてもらえますので、
どんどん恐れず失敗しながら研究を重ねる事ができます。

バラバラにした楽器のひとつひとつのパーツを組み替えながらナット交換、フレットのすりあわせ・リフレット、配線などの作業工程を一通り身に付けていきますが、ご自身で色々と楽器をいじってみた事がある方も、商品として見たレベルで、どういう状態が良い状態なのかを理解することで「楽器の調整」について、確かな知識と技術が学べます。工房を長年運営してきた指導講師による「実際にお客様に喜ばれることの多い内容」を伝授してもらえるのも履修生の特権。

この工程の中で、リペアのお仕事現場で求められる作業スピードと作業クオリティについても触れます。

在学中に1本や2本製作したからといって、お仕事に結びつくわけではないという現実的なお話をクリアしていくため、どうやってお仕事の現場は成り立っているかを肌で感じながら学んでいく事ができます。それをふまえた上でルシアー(手工、芸術志向の高級楽器)の道にチャレンジしたい方は、木工技術を探求していく事もできます。

これらの基礎プログラムは入学から2~3か月程でクリアできる方もいれば、1年間かけてじっくり身に付けていくペースでもOK。通学ペースも学ぶ目的も人それぞれですので、個人差があります。

初めにリペアの視点からクラフトの工程を学ぶことで、完成系のイメージを描きやすくなるだけでなく、おひとりおひとりの通学ペースに合わせながら、現場直結の即戦力となる技術の修得も可能(※)なプログラムになっています。

こうした基礎プログラムを経た後は、製作に専念するもよし(いきなりオリジナルモデルを製作してもOKです)修理や調整に専念するもよし、それぞれやりたいことに取り掛かる事ができます。やりたいことが見つからない方や決められたプログラムを学びたい方は、基礎プログラムを発展させた内容へ進んでいきます。

(※ギターやベースに触ったことがない方も通われていますが、これまでのご経験や目標と照らし合わせて別プログラムのご提供となることもありますので、そのあたりにつきましては改めて特集記事を近日公開致します。)

アーティスト視点、演奏・音作りを学びたい方は「テック」に特化した授業を

もちろん、ギターやベースに関連するアンプ・エフェクター・シールドなどに関する知識も学ぶ事ができます。
何を隠そう、ギタークラフト・リペアを指導する戸田高広先生が代表を務める工房・HUMPBACK engineeringはエフェクターも製作しています。

ギタークラフト・リペア科 指導講師のハンドメイドエフェクターがベースマガジンに取り上げられました!

そしてサウンドメイキング、ローディー・テックの内容などを学びたい方は「テック」に特化した授業を同時履修するのがオススメ。テックの講師を務めるのはプロミュージシャンの楽器調整や音作りを手がけるテックとして活躍しながら、ご自身のクラフト&リペア工房・hiPも運営する井上欽央先生。

井上先生がテックを務める「たなしん」さんによるユーチューブ番組「タナブロ」(国内外の有名ベーシストとの交流がベースマガジンでも取り上げられてきました)では、テック視点による楽器の扱い方を垣間見ることができます。

ギター・ベースの調整をプロから学ぶ!ギタークラフト・リペア科 井上欽央先生が出演中!

演奏授業や音響授業も同時履修が可能なオープンシラバスの環境を活用して、アーティストや作曲家を目指しながらテック授業を受講する方のほか、音響エンジニアを目指しながら楽器調整・サウンドメイキングの技術を修得する方もいらっしゃいます。

「音」や「電気」に関する知識を深めたい方は「電子音響工学」の座学も外せません。アンプやエフェクターに関する機材の知識も、しっかりと身に付けていく事ができます。

真空管の交換を通じてギターアンプの仕組みを詳しく解説

専門技術を必要に応じて必要なだけ学び、それぞれの夢や目標・それぞれの現場や暮らしに持ち帰る事ができるのも、国立音楽院ならでは。最初からピンポイントで「この作業だけしながら生きていたい!」「この内容だけ学んで、この道だけを目指す!」と限定しないことにより、理想に近いライフスタイルを実現できる可能性がグンと高まります。

もっともっと業界全体に多種多様なライフスタイルが認められていき、十人十色の夢や幸せが実現することを願ってやみません。

是非、ご見学下さい

年度毎に定員10名という完全少人数制による個別指導だからこそ実現した手厚い学習環境を、ご興味がある方はまずは是非ともご見学下さい。体験授業はなかなか設ける事ができないのですが、タイミングが合えば指導講師とじっくりお話ができる事もありますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

Tel : 03-5431-8085
Mail : contact@kma.co.jp
LINE : 下記より友達登録の上、お気軽にメッセージをご送信下さい。

国立音楽院 LINEからお問い合わせ

LINE
LINEで友達になる 拡大表示

LINEにてお友達登録をいただければ、カンタンにお申し込みできます。
友だち登録後にご希望のお問い合わせ内容をタップしてください。