2019年06月16日
音響エンジニアとは?仕事内容と必要なスキル
- 音響デザイン科
ライブハウスやコンサートホール、はたまたレコーディングスタジオで音響のバランス調整や録音、演出を行う音響エンジニア。PAエンジニアやミキサーとも呼ばれるこの職業は、現在さまざまな音楽の現場でニーズが高まっています。
国立音楽院の音響デザイン科では、音響エンジニアをはじめ現場に通用する音の設計のプロを充実のカリキュラムで育成してきます。
今回は注目の音響エンジニアの仕事内容や音響エンジニアに必要なスキルをご紹介します!
目次
音響エンジニアとは?仕事内容と主な現場
音響エンジニア(PAエンジニア)は、ライブハウスやコンサートホール、映画やテレビ、ラジオの収録現場などで専門の音響機材を使用し、音のレベルやバランスの調整、編集を行う「音のデザイン」のプロです。
アーティストや演奏者の素晴らしい音楽を、どれだけオーディエンスに伝えられるか。音に関する幅広い知識が求められると同時に、音響機材の設置・操作やミキシング、マスタリングの技術も必要です。
仕事場はライブハウスやコンサートホールといったイベント会場、ラジオやテレビの収録現場、アーティストの演奏を録音するレコーディングスタジオがメインですが、近年はニーズの高まりに伴って結婚式や株主総会などでも音響を担当することがあり、活躍の場はますます広がっています。
国立音楽院の音響デザイン科でも、さまざまな現場に対応できるプロの育成に向けた多彩なカリキュラムを用意しています。
音響エンジニアに求められるスキルとは
では、実際に音響エンジニアとして仕事をしていく上で、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
・音響機材の知識/操作スキル
マイクやミキサー、コンプレッサーなど音楽の現場にはさまざまな種類の音響機材が登場します。それら一つひとつの知識や操作スキルは必須です。
音響エンジニアは機材の設置から撤収までを行うので、接続方法や定番機器の通称や型番も覚えておく必要があります。
・楽器演奏の知識
ライブやレコーディングで演奏される楽器の奏法や各パーツの知識を押さえておくと、アーティストの要望に的確に応えられます。アーティストや演奏者の音楽やメッセージをオーディエンス伝える上で欠かせない知識です。
・電気音響工学の知識
電気音響工学とは、音の発生や伝搬など音に関するあらゆる現象を扱う「音響学」という学問の中で特に音響と電気に特化した分野を指します。専門的な機器を扱う音響エンジニアの仕事において、電気と音の関係は切っても切り離せません。電気音響工学の基礎的な知識を身に付けることで、より高いレベルの演出や音のデザインが可能になります。
・音質と音感にまつわる知識/技術
抽象的な表現ではありますが、アーティストや演奏家の音に直接関わる音響エンジニアはとても重要な仕事です。音響エンジニアは日々さまざまな音楽に触れて耳を鍛え、アーティストや演奏家の音楽の魅力を十分に伝えられる知識やスキルが求められます。音響デザイン科ではイヤートレーニングやエンジニア養成講座といったカリキュラムを通して、知識とスキルを基礎からしっかりと固めていきます。
・コミュニケーション能力
音響エンジニアが活躍するライブやコンサート、イベント会場は多くのスタッフで運営されます。そのため、周囲のスタッフとうまく連携がとれるよう協調性やコミュニケーション能力、また予測不能な事態にも臨機応変に対応できる判断力や行動力が求められます。
重い音響機材を運び動ける健康な体も必須です。
こうして見ると、音響エンジニアにはさまざまな幅広い分野の知識やスキル、経験が必要なことがわかりますね。
「現場」で活躍する人材を育てる実践的カリキュラム
下記は、国立音楽院の音響デザイン科の授業の一例です。
- ・電気音響工学概論
- ・舞台知識全般
- ・エンジニア向けイヤートレーニング
- ・ライブイベント制作
- ・Pro Tools講座
- ・RECエンジニア養成講座
- ・レコーディング実習
- ・音楽業界の基礎知識
- ・アレンジ耳コピ講座
- ・PA&SR
- ・ライティング・デザイナー養成(照明技術)
- ・プロモーションビデオ制作
- ・音響学
- ・サラウンド音楽制作(立体音響)
- ・プロジェクト実習
- ・ショートムービー制作
講師とマンツーマンの実技レッスンや必修科目に加えて、学科の垣根を越えて授業を選択できるオープンシラバス制度によって、学びたいものを幅広く学べる自由な環境が整っています。
国立音楽院には20以上の学科があり、他学科の学生とコラボレーションする機会が豊富にあります。
作曲アレンジ科・弦演奏科・ヴァイオリン製作科が中心となって結成されたオーケストラのレコーディングに携わったり、ギタークラフトリペア科やドラムカスタマイザー科とコラボしサウンドメイキングに参加したり、そのほか年数回開催される学校イベントの舞台制作を担当したりなど、違う分野で学ぶ学生と一緒に作業することで、現場で役に立つ人材を実践的に育てていきます。
ときには失敗することも。しかしそれも大切な学び!
学生時代にトライ&エラーを繰り返し、鍛えられていくのです。
レコーディングでの失敗を通じ、音響エンジニアとして成長する学院生をご紹介
音響に関する資格取得も積極的にサポート
音響エンジニアになるために、特別な学歴や資格は必要ありません。
しかし、どの程度の実力があるか証明する手段として、資格取得は有効です。
・JAPRS認定「サウンドレコーディング技術認定試験」
・国家資格「舞台機構調整技能士1~3級」
音響デザイン科では実践的授業で現場の対応力を育てると同時に、上記のような音響関連の資格取得や試験合格のサポートも強化しています。
卒業生はカリキュラムで養った現場力と資格に裏打ちされた実力を武器に音響の世界へ旅立っていくのです。
就職支援も手厚い国立音楽院。
音響デザイン科の卒業生は
- ・レコーディングエンジニア
- ・PAエンジニア(音響エンジニア)
- ・照明デザイナー
- ・イベントプロモーター
など、さまざまな現場で音響や照明のプロとして活躍しています。
国立音楽院では随時学校見学や資料請求を受け付けております。
また、不定期で音響デザイン科の体験講習も開催していますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください!
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