2019年05月27日
和楽器で奏でる日本伝統の音楽を学ぶ!和楽科のご紹介
- 和楽科
近年、アニメや漫画、ゲームなど日本のポップカルチャーが世界で注目されています。それと同時に、日本の伝統的な文化のすばらしさにも改めてスポットライトが当たっています。
国立音楽院には、国内でも珍しい日本の伝統音楽を学べる和楽科があります。雅楽や筝曲、田楽、能、そして江戸の歌舞伎…。時代の移り変わりとともに生まれてきた音楽文化、和楽シーンの第一線で活躍する講師陣から学ぶ2年間のコース・和楽科についてご紹介します。
目次
- 日本の伝統音楽:和楽器で奏でる究極の芸術世界
- 国内でも珍しい「和楽科」のある音楽学校
- 源光士郎氏をはじめ国宝級の名人が講師として指導
- 武楽とは?源光士郎氏創案のエンターテインメント
- 和楽シーンで活躍する卒業生:積極的な就職支援
日本の伝統音楽:和楽器で奏でる究極の芸術世界
日本の音楽文化はいまから約1500年前の飛鳥時代に生まれたといわれています。その後奈良時代の雅楽、平安時代の筝曲、鎌倉時代の田楽、室町時代の能、江戸時代の歌舞伎といったように、時代と共にさまざまな音楽文化が誕生してきました。
箏や龍笛、尺八などの和楽器(邦楽器)で奏でられる日本音楽は、日本人の和の心を刺激し、外国人には新しくオリエンタルな魅力として響きます。
和楽は日本の伝統文芸や舞踊、演劇とも密接な関わりを持っています。これらの伝統芸能と現代芸能をコラボレーションさせた舞台も誕生していて、新たなエンターテインメントとして海外公演するケースも増えてきています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、和楽をはじめとした日本の伝統文化はさらに盛り上がりを見せているのです。
国内でも珍しい「和楽科」のある音楽学校
国立音楽院は、国内でも珍しい和楽科がある音楽学校です。
和楽科では、伝統音楽の第一線で活躍する国宝級の名人の方々を講師にお招きし、箏や尺八、三味線、琵琶などさまざまな和楽器(邦楽器)の演奏や和楽の表現方法を直接学んでいきます。
入学してくる学生のほとんどが和楽器の初心者ですが、基礎から丁寧にわかりやすく指導を受けられるため、未経験でも心配ありません。
和楽科のカリキュラムは、マンツーマンの実技科目と、次のような授業を組み合わせて「必修科目」となります。
・日本音楽文化論
・筝曲演奏法
・和太鼓アンサンブル
・和太鼓と打楽器セッション
・武楽
・三味線ワークショップ
・総合芸能
上記は一例で、和楽科に関する授業の中から自分で選び必修科目を決めます。
必修科目にプラスして、国立音楽院では学科の垣根を越えて自分が学びたい授業を自由に選択できるオープンシラバス制度を導入しています。
和楽器以外にもさまざまな楽器演奏を経験できるので、音楽を幅広く学んでみたいという方にもぴったりです。
源光士郎氏をはじめ国宝級の名人が講師として指導
和楽科では、日本の伝統音楽シーンの最前線で活躍する国宝級の名人たちが講師として学生を指導しています。
【尺八】
小濱 明人氏(尺八奏者)
【箏曲】
市川 慎氏(箏奏者・和楽器ユニットZANメンバー)
足立 由美子氏(箏奏者・沢井箏曲院師範・ことの葉代表)
【三味線】
簑田 弘大氏(三味線奏者・作曲家)
桂城 杜生氏(三味線奏者)
【和太鼓】
糸原 昌史氏(和太鼓奏者・大江戸助六太鼓メンバー)
【琵琶】
大峯 香風氏(琵琶奏者・琵琶製作者)
【総合芸能】
三木 崇史氏(役者・舞台/映像制作者・日本橋龍馬会副会長)
また、外部講師をお招きする場合もあります。
和楽器の演奏だけでなく日本音楽の文化論や表現方法など、和楽に携わる者として必要な知識や技術を、一流の講師陣から直接学べる環境はほかではなかなかありません。
武楽とは?源光士郎氏創案のエンターテインメント
国立音楽院の和楽科でも科目として導入されている「武楽(ぶがく)」。
武楽とは、和楽科講師である源光士郎氏が創始家元となり、2005年に誕生した武道と伝統芸能を融合させた新しいエンターテイメントです。
国技の相撲をはじめ、柔道や剣道、空手や合気道、居合や薙刀といった日本古来の武道や武術。
日本の武道や武術に息づく技や型、礼や精神といった武士の「美」と、かつて戦に使われた刀剣や武具、戦装束に見られる用(よう)の「美」。
こうした武の美しさに、かつて武士のたしなみであった能などの武士文化を融合し、さらに琵琶や箏、和太鼓といった和楽器の演奏を組み合わせた文化芸術が「武楽」です。
武道芸術とも称されるこの新しい切り口の芸術表現は、日本国内にとどまらず海外でも公演を行い、高い評価を得ています。
国立音楽院の和楽科では、日本の伝統文化を学ぶと同時に武楽や総合芸能など、伝統と革新が組み合わされた新たな文化表現にも触れていきます。
源光士郎氏のインタビュー記事のご紹介
https://www.kma.co.jp/blog/post-6985/
和楽シーンで活躍する卒業生:積極的な就職支援
和楽科を卒業した後の進路をイメージしにくい方もいるかもしれませんが、多くの卒業生がさまざまな和楽のシーンで活動しています。
和楽科平成29年度卒業生・錠内大将君(和太鼓プロ集団「倭」メンバー)
和楽器奏者として海外公演に参加したり、小中高校の音楽教師として邦楽を教えたり…。
国立劇場の文学・歌舞伎・能楽の研修生として活動している卒業生もいます。
国立音楽院はすべてのコースで一貫して「好きな音楽を一生の仕事にする」というテーマを掲げ、多くの卒業生が実行しています。
和楽科においてもそれは変わらず、学校をあげて就職やデビュー、進学に関するさまざまなサポートを積極的に行っています。
就職支援の手厚さは、国立音楽院の特徴のひとつといっても過言ではないでしょう。
関連記事
・「伝統的な楽器を知ってもらいたい」【和楽科学生インタビュー】
・【Pick Up】 平安絵巻~十二単の着付け実演や和の伝統をモダンなアプローチで解釈する総合エンターテイメント
日本の伝統文化を学び、世界へ羽ばたく。
和楽科にご興味をお持ちの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください!