国立音楽院

2019年01月25日

コンサート・バスドラム 【打楽器 メンテナンス】

  • ウインドオーケストラ科
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  • 管楽器リペア科

打楽器奏者 管楽器リペア ドラム・カスタム 作曲など幅広く対象にした体験講座

2018年7月16日に開催された打楽器メンテナンス体験「テーマ:コンサートバスドラム」の様子。

目次

1、講座開催のきっかけ

主に在校生向けに始まったこの講座は、毎回一つの楽器に焦点を当て打楽器の基本的構造と日常の楽器管理に役立つメンテナンス法を学ぶ体験の場を作る試みとして2018年度は全5回開催されました。

画像は国立音楽院リペア工房スタッフの石井隆さん。

この「打楽器メンテナンス」を担当するのは国立音楽院リペア工房スタッフの石井隆さん。石井さんは国立音楽院の卒業生です。脱サラして国立音楽院へ入学、ドラムカスタマイザー科でドラムや打楽器の知識・技術を習得したほか、ウインドオーケストラのコンサートなどにも多く出演されてきました。2年間の履修を終えた後は研究科へ進級し、管楽器のリペア技術を学んでいきました。

当校でも大人気「管楽器リペア科」の履修生にこの講座でお伝えしたかった事は学販(※学校販売)のお仕事に就いた際のシミュレート。将来像や進路をお考えになる際に役立てて頂ければという側面もありました。多くの小学校・中学校・高校などにある吹奏楽部をはじめ、オーケストラ編成による管弦打楽器楽団がお客様になった場合、この打楽器の知識があるかないかだけでも様々なビジネスチャンスに繋がるきっかけとなるのではないでしょうか。

こういった視点も少しずつ在学中から頭の片隅に入れておいて頂けると、お仕事の成り立ちが理解できて将来への不安を感じる方も少なくなるかもしれません。

まずはそこまで考えなくても、楽器運搬や取り扱い方を覚えておく事や「どんな楽器なのかな」という楽器の特徴を知る事で、演奏面や作曲面にも役立てていく事ができます。

 

今回は2018年7月に開催された第二回目【テーマ:コンサートバスドラム】をご紹介しますが、この回には作曲アレンジ科ヴァイオリン製作科に在籍する学院生も参加していました。

(関連記事:2018年度 打楽器メンテナンス体験・第一回目【テーマ:スネアメンテナンス体験】

 

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2、バスドラムをイチから学ぶ

バスドラムを4種類並べ、サイズや用途をレクチャーする石井先生。

一言で「バスドラム」と言っても、そのサイズや使われ方(演奏法)、アンサンブルの中での役割などは多岐にわたります。今回扱うテーマとしては「コンサートバスドラム」という事で主にクラシック音楽やオーケストラで用いられる楽器になりますが、ロックやポップス、ジャズなどで使われるドラムセットのバスドラムも、ざっくりと言ってしまえば基本は同じです。

とはいえ、やはりジャンル毎に求められる音というのは大きく異なります。

壮大なオーケストラ演奏では、静けさ~激しさまで幅広い音量差を表現したり
ロックなどではライブPAの音作りありきで、派手なアタック音を必要とする事もあったりと
楽器の特性をどのように活かすか、現場によって大きな違いが出てきます。

このように「どうやって、この楽器から音が鳴る仕組みになっているか」を知る事は、もちろん作曲面や演奏面などアンサンブルの音作りにも活かしていく事ができますが、実は運搬時に気を付けるべき事のほか日頃のメンテナンス・管理で気を付けるべき事柄にも共通しています。

多くの楽器が直面している保管・管理上の現状をご存知でしょうか。講座内ではリペアのお仕事を通じて石井さんが感じた実際の現場の様子にも触れていきました。

 

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3、楽器の状態を良好に保つ=結果的に楽器が長持ちする

教室中央にブルーシートを敷き、パーツクリーニングをレクチャーする石井さんと参加者。

今回の講座ではヘッド交換を通じて、細かいパーツのメンテナンス・クリーニング法にも触れました。基本原理は第一回目で学んだスネアのメンテナンス・クリーニングと同じです。

楽器の知識が無い状態で保管・管理・運搬などをしてしまうと、思わぬ負荷を楽器に与えてしまい結果的に楽器の寿命を縮めてしまう事にもなりかねません。吹奏楽団や吹奏楽部の実情として、おそらく楽器管理に予算をかける優先度としては、打楽器は後回しにされる事が多いと思います。不調が出るとわかりやすく音が出なくなってしまう楽器を優先するという部活動の運営事情はよく耳にする現状です。調整や日頃の管理にお金がかけられないだけでなく、楽器をほったらかしにされてしまう事を少しでも少なくできれば…!!そう願ってやみません。

講座終了後はヴァイオリン製作科の在校生が石井さんを質問攻め。気になっている事など疑問点を積極的に掘り下げて、急遽相談会が始まっていました。

今回は打楽器メンテナンス第二回【テーマ:コンサート バスドラム】をご紹介しましたが、引き続き全五回開催された講座の様子をご紹介していきたいと思います!

 

 

ライター:山P

 

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