2019年01月25日
コンサート・バスドラム 【打楽器 メンテナンス】
- ドラムカスタマイザー科
打楽器の基本構造と楽器管理に役立つメンテナンスを学ぶ
国立音楽院 打楽器メンテナンス講座の一つ「コンサートバスドラム」をご紹介します。
こちらの講座は打楽器奏者、管楽器リペア、ドラム・カスタム、作曲などに幅広く対象にした体験講座です。
講座の様子のご紹介の前に、バスドラムについて少し豆知識をお伝えします。
バスドラムとは大太鼓のこと。
紀元前2500年頃から存在していたと言われるほど歴史がとても古い楽器です。
力強い低音を出すことができ、オーケストラや吹奏楽での使用、
ドラムセットにおいても欠かせないものです。
ヘッドの素材には皮が使われていましたが、
皮だと湿気に弱いためメンテナンスが難しく、また高価なものです。
そのため、最近ではメンテナンスもしやすく安価に作ることができるプラスチック製のヘッドを使用しているバスドラムが多くなっています。
胴が深ければ深いほど反応は遅く深い音を出すことができ、
口径が大きければ大きいほどピッチ感は低くなり大きい音を出すことができます。
バスドラムのサイズは
直径24〜40インチ
胴の深さ14〜22インチ
コンサートバスドラムの標準サイズは
直径32または36インチ
胴の深さ18インチ(深胴タイプ20、22インチ)
大編成のオーケストラやクラシック音楽では音量が大きく出せる深いコンサートバスドラムを使います。
目次
1、バスドラムをイチから学ぶ
一言で「バスドラム」と言っても、
そのサイズや使われ方(演奏法)、アンサンブルの中での役割などは多岐にわたります。今回扱うテーマとしては「コンサートバスドラム」。
主にクラシック音楽やオーケストラで用いられる楽器になりますが、
ロックやポップス、ジャズなどで使われるドラムセットのバスドラムも、
ざっくりと言ってしまえば基本は同じです。
とはいえ、やはりジャンル毎に求められる音というのは大きく異なります。
壮大なオーケストラ演奏では、静けさ~激しさまで幅広い音量差を表現したり
ロックなどではライブPAの音作りありきで、派手なアタック音を必要とする事もあります。
楽器の特性をどのように活かすか、現場によって大きな違いが出てきます。
このように「どうやって、この楽器から音が鳴る仕組みになっているか」を知る事は、
もちろん作曲面や演奏面などアンサンブルの音作りにも活かしていく事ができますが、
実は運搬時に気を付けるべき事のほか日頃のメンテナンス・管理で気を付けるべき事柄にも共通しています。
多くの楽器が直面している保管・管理上の現状をご存知でしょうか。
講座内ではリペアのお仕事を通じて石井さんが感じた実際の現場の様子にも触れていきました。
2、楽器の状態を良好に保つ=結果的に楽器が長持ちする
今回の講座ではヘッド交換を通じて、細かいパーツのメンテナンス・クリーニング法にも触れました。
基本原理は第一回目で学んだスネアのメンテナンス・クリーニングと同じです。
楽器の知識が無い状態で保管・管理・運搬などをしてしまうと、
思わぬ負荷を楽器に与えてしまい結果的に楽器の寿命を縮めてしまう事にもなりかねません。
吹奏楽団や吹奏楽部の実情として、おそらく楽器管理に予算をかける優先度としては、打楽器は後回しにされる事が多いと思います。
不調が出るとわかりやすく音が出なくなってしまう楽器を優先するという部活動の運営事情はよく耳にする現状です。
調整や日頃の管理にお金がかけられないだけでなく、楽器をほったらかしにされてしまう事を少しでも少なくできれば…!!
そう願ってやみません。
講座終了後はヴァイオリン製作科の在校生が石井さんを質問攻め。
気になっている事など疑問点を積極的に掘り下げて、急遽相談会が始まっていました。
今回は打楽器メンテナンス第二回【テーマ:コンサート バスドラム】をご紹介しましたが、引き続き全五回開催された講座の様子をご紹介していきたいと思います!
ライター:山P
これまでに行われた打楽器メンテナンス体験
・スネアメンテナンス体験
・コンサートバスドラム
・ドラムセット
・鍵盤打楽器
(・ビブラフォンの実際の修理・調整の様子)
在校生だけでなく、一般の方も参加可能!体験講習
国立音楽院では体験講習を随時開催しております。
ドラム経験者も未経験者も大歓迎!
ご興味のある方はぜひご参加ください。