2021年08月17日
「あたらしい風#5」インタビュー特集:オータケハヤト(指導)山田天爽(作曲)松井琴弥(編曲)
- シンガーソングライター科
- ピアノ調律科
- ロックプレイヤー科
- 作曲アレンジ科
今回で5回目を迎える「あたらしい風」に向けて
(本番へ向けてリハーサルも順調に進んでいます)
8/22(日)としま区民センター多目的ホールにて開催される、国立音楽院・作曲アレンジ科授業のオーケストレーション履修生による作曲や編曲の世界初演コンサート「あたらしい風#5」。間近に迫る開催日まで、インタビュー特集をお届け致します。
今回は国立音楽院ならではの多学科連動コラボ、シンガーソングライター(ポップス・ロック)で制作した楽曲を、ピアノ調律科在籍生がアレンジした楽曲をご紹介。
シンガーソングライター授業を受け持つオータケハヤト先生、オータケ先生の指導を受けながら作曲をした山田天爽さん、ピアノ調律科に在籍しながらオーケストレーションを履修・本作をアレンジした松井琴弥さんのコメントをまとめてお届け致します。
多学科連動コラボとなる「少年冒険記」制作にあたって
山田 天爽 – Takaaki Yamada –
鳥取出身。小学四年生の頃ヴァイオリンを学び、高校生でギターを独学で始める。
さらに深く音楽を学ぶため18歳で国立音楽院入学、2年間作曲の知識とギターを学ぶ。
アーティスト活動のため日々挑戦中。
■ 少年冒険記コメント:山田 天爽(作曲)
この曲は去年の4月に作った曲です。
そのころはコロナが流行りだした時で、4月は自粛期間だったので外も学校にも行けず、ましてやギターや歌もろくに出来ない家だったのでとても精神的に辛かったです。その中でも何かしたいと思い自粛中に1曲は作ろうと考えました。でもずっと家に閉じこもっても何もアイデアが出ず、何も進まないまま1日がおわる事がずっと続いていました。
ある日、気分転換にアニメを見たらそのアニメにすごく感動して、すごくインスピレーションをもらいました。
そこから、そのアニメの物語を題材に作った曲が今回オーケストラアレンジで演奏して頂いた曲です。
とても幻想的で物語風な曲になってるので是非浸って貰えたらなと思います。
松井 琴弥 – Kotomi Matsui –
2002年生まれ。
千葉県立津田沼高等学校音楽コース卒業、国立音楽院ピアノ調律科2年在学中。
3歳でピアノを始め、10歳で調律師を目指す。小中高校では合唱部に所属。
現在はオーケストレーションや作曲を学びながら、調律の勉強中。
ピアノを大森真咲子・多賀谷祐輔、作曲を大曽根浩範の各氏に師事。
演奏・作曲のほかスタッフとしてなど、演奏会活動も積極的に参加している。
■ 少年冒険記コメント:松井 琴弥(オーケストラアレンジ)
今回はこのような機会をいただきありがとうございます。
ポップスの曲をアレンジするのは初めてでしたが、なんとか自分なりの「少年冒険記」を表現できたと思います。
最初にいただいた資料はコード譜とギター1本の弾き語り音源でした。
リズムが特徴的な曲で、私がギターの音が結構好きなこともあって原曲の印象がなかなか抜けず、場面ごとの方向性を決めるのが大変でした。
言葉を使わずに演奏するオーケストラで、できるだけ語感や言葉の意味を表現できるように意識しました。
冒頭は物語の始まりを語るように、サビは開いた母音が多いのでトランペットを中心に広い世界をイメージしています。転調したところは前に前に歩いて行く後押しをしてくれている気がしてお気に入りの場面です。弦楽器の細かい動きが追い風となって、自ら踏み出そうとする力強いラストに繫がっていきます。
私は歌手のゆずが好きで、ギターの音を聴いて最初にゆずの曲を思い浮かべました。
ストリングスが特徴的な曲もあるので、弦の動きや音楽の進め方を参考にして、曲の後半は私の好きを詰め込んだアレンジになりました。
最後になりましたが、大曽根先生をはじめ今日まで沢山のサポートをしてくださった方々に御礼申し上げます。
「少年冒険記」 編曲
国立音楽院ピアノ調律科2年 松井 琴弥
オータケハヤト – Hayato Otake –
「ROCK’A’TRENCH」のメンバーとしてデビュー後は、2枚のアルバムと10枚のシングルを発表。作詞、作曲とドラムを担当し、楽曲の半数弱を作曲。後期は作詞も精力的に取り組む。その中でもフジテレビ系ドラマ「メイちゃんの執事」主題歌にもなった「My SunShine」は100万ダウンロードを超える記録を出した。2012年には夏木マリのシングル『ALLIANCE』を作曲。近年では映画劇版、CM作曲、ドラムレコーディングで活躍中。Siggy jr.アレンジ、ゆるめるモ!「あ!世界は広いすごい」作曲アレンジ。
■ 少年冒険記コメント:オータケハヤト(指導)
山田天爽くんとは、、
懐っこく優しい。
そんな雰囲気が漂い
そして
自分の見えた『こんな感じにしたい』というイメージと設計図を持ってる人で
それらは、真摯に向き合う生真面目さと相まって
独特の風味というか、なんというか、、、はい。
描くタッチとしてはmaj7・add9などで、しっとり感やキラキラを表現し、
曲によってはドミナント7thのコードなど散りばめ、不安定さの中で突き進むような力強さを。
歌詞の世界観としてはガラスのような『綺麗な表現』が多いので日常を感じさせない素敵な感じであり
繊細な音運びなんだけども
根底にある気持ちの力強さ、男っぽさ、エモーショナルさは浮き彫りに 出してくる。
そんな、風味。
魅力的であります。
今回のコラボ曲「少年冒険記」という曲は、上記のような彼の作風の中で
特に武装していなく、メロディ・構成・展開が極めて素直であり
大衆的な優しさで懐っこく包みます。
体感、口ずさんでみたら、『あれ?楽しくなるな』と、ピンときまして
大曽根先生と、雑談をさせていただく機会もあり、ご紹介させていただきました。
POPS・ROCKなどが持つ、BEATから作り上げる構成。
童謡のように、リピートし口ずさめるメロディ構成。
ミニマムであったり、スポーティであったり、カジュアルに日常とリンクする中で
オブリガード・音域・効果的な音の積み重ね方など、表現できるニュアンスの幅が多彩であるオーケストラアレンジ。
楽しみです。
国立音楽院・指導講師 オータケハヤト(ROCK’A’TRENCH)