2023年05月11日
管楽器のリペア技術を身に付ける!管楽器リペアマンへの道
- 管楽器リペア科
管楽器を演奏する人々に欠かせない職業、管楽器リペアマン。
調子が悪かった楽器が、たちまちストレスなく吹きやすくなった経験が、管楽器奏者なら誰しもあるのではないでしょうか?
管楽器奏者にとってのお医者さん。
そんな管楽器リペアマンを育成する、国立音楽院の管楽器リペア科を紹介します。
目次
管楽器リペアマンってどんな人?
管楽器リペアをしている人を、管楽器リペアマンと呼んでいます。管楽器の修理や調整をする専門家、それが管楽器リペアマンです。
では、管楽器の修理や調整する管楽器リペアマンは具体的にどんなことをするのか・・・。
管楽器はとてもデリケートなため、定期的に修理や調整を必要とします。また、管楽器奏者によって奏法や、鳴らしたい音も違うため、要望に合わせた細かな調整をする必要があります。
仕事場は楽器メーカーや楽器店、楽器輸入会社、管楽器リペア専門の修理工房などがあります。
では、管楽器リペアマンになるためには、どんなスキルが必要になるのでしょうか。
どんなスキルが必要なのか
管楽器修理の仕事をするためのスキルを紹介していきます。
・高い技術力/楽器の知識
管楽器は演奏家の活動において欠かせない、相棒とも呼べる存在です。
そのため、管楽器リペアは絶対にミスが許されない丁寧で高い技術が必須となります。
管楽器にはたくさんのメーカーがあり、メーカーごとモデルごとに特性や使用されている素材が異なります。
さらに、演奏者によってこだわりは様々なため、お客様のニーズに応えることができる豊富な知識も必要です。
・管楽器の演奏スキル
必須スキルとはいわれてませんが、やはり自分が修理する楽器を演奏できないと修理後に吹奏確認を自分で出来ないということになります。
吹奏確認ができないということは、最後の細かな調整が出来なくなるため、お客様に満足していただけない修理となってしまいます。
そのため、管楽器演奏が出来るとまではいかなくとも、音階ができる程度のスキルは必要です。
・コミュニケーションスキル
ただ修理や調整をするだけが管楽器リペアマンのお仕事ではありません。
お客様からのご要望を的確に理解したり、ここをこのように修理しましたという具体的な内容を伝えるのも重要なスキルです。
また、中学校や高校へ修理に行く管楽器リペアマンは、日常での楽器の取り扱い方や調整などのアドバイスを求められることもあります。
正しい奏法も学べる管楽器リペアマン育成カリキュラム
1年次では、必要な工具や商品知識、木管・金管楽器の機能と構造の座学、フルート・クラリネット、サックス・トランペット・トロンボーン・ホルンの基本的な修理技術を実習で学びます。
2年次では、それらを踏まえ各楽器の全修理(オーバーホール)を目標に実習を行います。
3年次(3年制コース)では各自の目標に合わせ、1種類の楽器を集中的に学習したり、応用的なオーボエ、ファゴット、チューバ、様々なバルブ構造の修理技術を学ぶことが可能です。
指定時間以外にも自習として作業ができるため、自分のペースで学習をすることもできます。
また、国立音楽院では、管楽器リペアの実習のほかに、プロの指導講師陣による実技レッスンが充実してます。
本校独自のオープンシラバス制度により、吹奏楽やビッグバンド、アンサンブルの授業などの豊富な演奏授業をいくつでも受講することが可能です。
授業一覧はこちら
これらの演奏授業には年に数回、発表の場があり、「ビッグバンド / ウインドオーケストラの響演」と銘打って行われるコンサートは、東京オペラシティなど都内一流会場に於いて盛大に開催されます。
演奏者の多くが管楽器リペア科の学院生達。華やかな舞台での演奏経験を通じ、管楽器を演奏者の視点から考える心を育みます。
そして、これもまた魅力の一つ。二日間にわたって開催される、ヤマハの工場見学。
楽器の製造に対してさらに知識を深めるためヤマハの工場がある静岡県へ研修旅行へ行きます。
一日目はエンジン・モーターを使用する商品を中心に展示してある「ヤマハ 発動機 コミュニケーションプラザ」と「浜松市楽器博物館」へ。
二日目は研修旅行のメインであるヤマハ工場見学。「ヤマハ 掛川工場」「ヤマハ 豊岡工場」へ足を運びました。
詳しくは是非イベントレポートを是非ご覧ください!↓
指導員紹介
それでは、管楽器リペア科の実力派指導講師をご紹介します。
日谷 晃 <Akira Hitani>
ビュッフェ・クランポン株式会社(現株式会社ビュッフェ・クランポン・ジャパン)の技術者として多くの演奏家の楽器の調整を担当。また、楽器の設計にも携わる。2012年木管楽器専門の工房「ル・ベカール」設立。(一社)日本管楽器修理師協会理事。
毎週木曜日の昼間部2年生、夜間部にてクラリネットの修理指導を担当。
渡辺 篤史 <Atsushi Watanabe>
都内楽器店で勤務後、島村楽器株式会社に入社。在職中は商品開発課を兼務し海外の管楽器工場で製品開発や指導も行い、海外工場技術者からの信頼も厚い。現在は本校において管楽器リペア実習の指導他、Forestone Japan製Saxの製造・開発責任者として国内での楽器組み立てから海外展示会での顧客対応、海外楽器店やプレイヤーの技術サポートや技術指導、管楽器全般の修理業務を行う他、自己の工房「管楽器修理工房Pit」を運営しジャンル問わず修理を行っている。(一社)日本管楽器修理師協会理事。
毎週火・水曜日の昼間部1、2年生、夜間部にて金管楽器の修理指導を担当。
高羽 智之 <Tomoyuki Takaba>
中部楽器技術専門学校にて管楽器修理を学び卒業後、都内楽器店へ就職。楽器の専門知識及び修理技術に磨きをかける。2012年服部 悟(管楽器修理工房 服部 代表)と共に、管楽器修理専門店バードサウンドトーキョーを設立。(一社)日本管楽器修理師協会理事。
毎週月曜日の昼間部1、2年生・夜間部、木曜日の昼間部1年生にて木管楽器の修理指導を担当。
お問い合わせ
国立音楽院では随時学校見学や資料請求を受け付けております。
お気軽に下記ページか、contact@kma.co.jpまでお問い合わせ下さい。
また、管楽器リペア科の体験講習は下記ページよりご覧下さい。